なぜ記帳をする必要があるのか
記帳は、ビジネスに関係するお金の動きの情報をすべて会計ソフトに入力していく業務です。
入力すべきことがほぼ毎日発生しますし、知識も必要になってきますので、大きな負担に感じている方もいらっしゃると思います。しかし、記帳をすることは、個人や企業が経済活動を行う上で重要な役割を果たします。ここでは大きく2つの視点からご説明します。
経営判断に活かし経営の成功につなげる為
記帳が正確にスピーディに行われていれば、それによって得られた情報を元に、経営者は以下のような判断を行うことができます。
□収支状況の把握
収入や支出の状況を正確に把握することができます。これによって、事業の収益性を把握し、今後の展開に必要な資金を調達するための財務戦略を立てる等の計画づくりができます。
□資産管理の最適化
記帳によって、所有する資産の種類や数量、価値などを把握することができます。これによって、資産を最適化するための方策を検討することができます。たとえば、不必要な在庫を減らしたり、有効活用できる固定資産を見つけ出したりすることができます。
□借入金の返済計画の策定
記帳によって、企業がどの程度の借入金を抱えているかを把握することができます。これによって、返済計画を策定することができます。返済計画を立てることで、返済スケジュールを把握し、返済のための財務戦略を立てることができます。
本業に忙しく、記帳業務は後回し。申告の為に必要と切羽詰まってからまとめて入力していたという製造業のS社長。これでは経営判断に活かすことはできません。せっかく記帳をするのに、もったいないですね。
税務申告を正しく行い、節税を可能にする為
納税は個人や会社の義務です。所得税や法人税など、申告に必要となる情報を収集するためにも、記帳は必要です。
正確な帳簿をつけることにより、納税者は税務署に適切な情報を提供できますが、不備がある場合、税務署から厳しい指摘や追徴課税のリスクがあります。それを回避するためには、正確な記帳が欠かせません。
また、記帳によって得られた情報を基に、会計士や税理士は節税のためのアドバイスを行うことができます。たとえば、減価償却費の見直しや、繰延税金資産の取得などは、記帳を基にして行うことができる節税手段です。
記帳は、会計上の正確な情報を収集・整理することにより、企業の経済状況や業績を把握するための基本的な作業です。そして、この正確な情報がなければ、節税のための効果的な手段を見つけることができません。
日々の業務に追われ、煩雑な記帳業務はついつい後回しに考えがちですが、企業にとって記帳はとても大切なものですし、やらずに済ませることはできません。それであれば、アウトソーシングの活用も検討して、経営の成功に活かせるような記帳をしていきましょう。