記帳代行をお任せし、処理が間違っていたらどうすればいい?
全責任を税理士が負うわけではない
「うちは税理士さんがいるから大丈夫。」そのようにお考えの方もいらっしゃるかと思います。
しかし、税務署への申告等に誤りがあった場合、全責任を税理士が負ってくれる訳ではありません。
税理士は、顧客の財務・税務処理を支援する専門家であり、顧客が税務法や会計基準を遵守し、正確な申告を行うことをサポートすることが主な役割です。つまり、税理士の責任は、顧客に対する教育やアドバイス、業務の適切な実行に限定されます。顧客自身が提供する情報や書類に不正確な点がある場合は、税理士はそれを指摘し、修正を求める責任があるものの、最終的な責任は顧客自身に帰属するとされています。
例えば、顧客が提供した領収書や請求書に誤りがあったり、業務上の規則を守らなかった場合には、顧客に責任があるとされます。一方で、税理士が顧客から提供された情報や書類の確認が不十分でミスが生じた場合には、税理士に責任があるとされます。責任の所在は事情によって異なり、明確に判断することは容易ではありませんが、トラブル防止の為、税理士に提供する書類や情報は正確であることが大切です。自社で記帳を行い、税理士に申告を依頼しているような場合は、自社の記帳を正確に行っておくことが求められます。
つまり、トラブル防止のために、
□領収書や請求書を適切に保管して提供する
□記帳の正確性を高める
ということが大切で、正確な記帳業務ができうような人が社内にいない、本業が忙しくて記帳業務に割ける時間が無い等の事情があるならば、記帳業務をアウトソーシングすることも有効です。業者に任せれば、自社で行うよりも正確でスピーディな処理が期待できます。
記帳代行業者に任せた処理にミスがおきたら
しかし、記帳代行業者ならば100%ミスがないということはありません。万が一、間違いがあった場合にはどのようにすればいいのでしょうか。
まずは直ちに記帳代行業者に連絡を取り、問題の早期解決を図ることが重要です。
間違いを指摘する前に、記帳代行業者の利用規約や契約内容を確認しておくことも重要です。記帳代行業者が間違いを認めた場合は、修正をしてもらうことが可能です。修正が不可能であった場合や、記帳代行業者が責任を負わない旨を主張する場合は、契約内容を再度確認し、法的手続きを検討することも必要かもしれません。
ミスが発生すると、依頼した側にも時間的・精神的な負担が発生します。そうならない為に、記帳代行業者の選択は慎重に行いましょう。また、依頼後は業者がミスをしないように協力することも必要です。
コミュニケーションをしっかりとり、領収書や請求書、銀行取引明細書等、業者が正確な処理をする為に必要な情報を確実に渡すようにしましょう。