経理業務が属人化する理由と対策
経理が属人化することのリスク
「一人しか居ない経理が辞めてしまう。どうしよう!」
こんなご相談を頂くことが多々あります。長年一人に任せていたから、マニュアルなんてありません。資料がどこにあるのか知っているのもその人だけ。こんな状況では慌ててしまうのも無理ありません。そのような緊急事態に直面した訳ではないとしても、経理業務がブラックボックス化してしまっている、大体は把握しているつもりだけど、詳細は分からない等のお声をよく聞きます。このような状況に、どのようなリスクが潜んでいるのでしょうか。
■業務停止の恐れ
経理業務を担当している人が退職や病気などで業務がストップした場合、業務の進行状況などがわからず、業務が止まってしまいます。支払いの遅延などで取引先に迷惑をかけてしまう恐れもあります。
■業務の品質低下やコンプライアンス違反の恐れ
経理業務を担当している人に依存しているため、その人のミスや業務負荷が高くなった場合には、業務の品質が低下する可能性があります。また、経理業務を担当している人が正確な業務を行っていない場合、コンプライアンス違反が発生している可能性があります。
■人件費の増大
他の人ではできない業務になってしまっている為、業務量が多い場合には、残業代や給料アップなどのコストもかかる可能性があります。更に、その人が退職してしまったら、同程度の業務ができる人を採用する為や教育の為、金銭的にも時間的にもコストもかかります。
経理業務が属人化する原因
このようなリスクのある経理の属人化ですが、それが発生する原因はどこにあるのでしょうか。
業務の専門性
経理業務は専門的な知識が必要です。又、会計基準や法令など、ルールが多岐に渡るため、業務を担当できる人が限定されることがあります。
また、経理業務は会社の財務状況を把握する上で非常に重要な業務であり、機密性の高い情報を取り扱うこともあります。「難しい仕事ではないから新人やパートさんでもできるのだけど、社内の他の人に見せるにはちょっと・・・」と、仕事を抱え込んでしまうこともあり、一人の担当者に集中させざるを得ないという面もあります。
システムの不備
「経理は利益を生む部門ではないから」と新システム導入等を後回しにしがちです。しかし、情報システムが整備されていなかったり、旧式のシステムを使用している場合、経理業務が手作業になってしまうことがあります。個人が一人で手作業で長年行っていれば、業務が属人化してしまうことがあります。
「こういうやり方をしているのはどうしてですか?」と経理担当者に伺うと、それは、古いシステムにどうにか上手く入力しようと四苦八苦した結果だったなんてことも多々あります。これでは、その人しか分からない業務になってしまいますね。
経理業務に対する他部門の認識不足
経理は何をやっているか分からないと、他部門から関心を持たれず、業務を担当する人が孤立してしまうことがあります。業務の標準化に必要な他部署の協力が得られず、部署内や自分一人で処理することで属人化が更に進んでしまうこともあります。「皆さん忙しいからお願いできないです」「私がこれを見てここに入力すれば済むことですから」等、気配りをする経理担当者の方によくお会いします。気配りは大切な事なのですが、会社全体を見て効率を落とすことに繋がったり、業務を属人化させることになっているとしたら、問題ですよね。
属人化を解消するために出来ること
経理業務の属人化を解消するためには、以下のような対策が考えられます。
□業務フローの明確化
業務フローを明確にし、一定の基準を設定することで、判断基準が共有され、属人化を防ぎます。
□業務マニュアルの整備
業務マニュアルを整備し、業務の手順やルールを共有することで、属人化を防ぎます。
□教育・研修の実施
経理業務に必要な知識やスキルを習得できる研修や教育を実施することで、業務の熟練度を向上させ、属人化を防ぎます。
□情報共有の改善
業務に必要な情報共有の仕組みを整備することで、情報共有を促進し、業務の属人化を防ぎます。
□業務の自動化
ツールを活用して業務を自動化することより、個人のやり方やスキルに依存せずに、一定の処理が可能になります。これにより、業務の属人化を防ぎます。
属人化解消のため、これらに取り組んでみようと考えても、ブラックボックスとなっている現状では何から手を付けたらいいのか分からないという方も多いでしょうCWM経理アウトソーシングオフィスにご相談ください。属人化のリスクに対応し、より効率の良い経理にしていくための無料相談を実施しております。