失敗しない記帳代行サービスの選び方
記帳代行サービスの選び方・契約前に検討するポイント
記帳代行サービスを利用すると、大切な会計業務を任せることになります。
「楽になる為にサービスを利用し始めたのに、かえって時間がかかっている」「約束を守ってくれないからイライラする。これなら自分でやった方がよかった」等のお悩みを抱え、セカンドオピニオンとしての相談を求められることもあります。トラブルを避けるためにも、代行業者は慎重に決めましょう。
信頼できるか
代行業者には金銭にかかわる重要な情報を渡すことになります。
求めることをきちんと遂行してくれる業者でないと、ミスや期日遅れなどで、かえってストレスになりかねません。
支援実績や創業年数等から、経験値が高い業者を選びましょう。
また、電話やメールをした時の窓口のスタッフの対応はどうか、アポイントをとる時にこちらへの配慮が感じられるか、打合せ時のコミュニケーションに違和感はないか等、無料相談等を活用して直接スタッフと接してみて、信頼できるか判断するのが良いでしょう。
専門家が在籍しているか
記帳代行サービス自体に必要な資格は無く、たとえ経験が無くても提供できるサービスですが、その延長で決算申告などの申告業務も依頼したいと考えている場合には、注意が必要です。
税理士資格の無い者が申告をする事は税理士法上違法です。運営元が税理士法人若しくは税理士法人との関係会社であるという点を、チェックしておきましょう。
また、記帳代行で見えてくる自社の業績数値をもとに、専門的な知識を持つ人がコンサルティングをしてくれる業者もあります。財務コンサルティング・事業計画・経営体質の改善・節税の提案など、専門家からサービスを受けられることができるのは、大きなメリットになるでしょう。
業務範囲を確認
記帳代行といっても、代行する業務の幅は様々です。起票から記帳までを丸々依頼するケースもあれば、自社で会計伝票や現金出納帳を作成して記帳のみを依頼するケースもあります。その為、必ずサービス内容を確認しましょう。
ここまでやってくれるだろうと思って契約してしまうと、後々、サービス外で依頼できなかったり、追加料金が発生したりと、余計な負担が発生してしまいます。会社の実情に合わせて柔軟に対応し、適切なプランを提供してくれるかどうかも、選ぶときの重要なポイントです。
価格設定をチェック
複雑な料金プランであったり、様々なオプションが設定されていて、条件に応じて価格が変動したりと、想定よりも料金が高くつく場合があるので、注意が必要です。
契約前には料金プランをよく確認し、見積りを取ることが大切です。料金プランが明瞭でわかりやすい業者を選ぶようにしましょう。
記帳代行サービスの料金相場
記帳代行の料金は基本的に仕訳数によって変動します。仕訳数とは、領収書や伝票の枚数のことです。
料金設定の形態としては、仕訳数に応じて月額の基本料が設定されているパターン(月額制)、1仕訳単価で計算するパターン(従量制)、一定の仕訳数までの月額料金が決まっていてそれを超えたら超えた分だけ追加料金が発生するというような折衷パターンもあります。
月額制の料金相場は100仕訳あたり1万円前後、従量制の料金相場は1仕訳あたり50〜100円といったところです。
注意するべきポイント
記帳代行サービスには、メリットだけでなく注意点もあります。以下、把握した上で代行業者を選びましょう。
◆違法業者の存在
申告など税務関連の代行も提供している会社もありますが、申告を代行できるのは税法上、納税者本人または税理士だけです。
税理士資格を持っている業者なら良いのですが、持っていないのに申告を代行した場合は法律違反となってしまいます。これが発覚すると、納税者である会社まで巻き込んだトラブルになることが予想されますので注意しましょう。
◆守秘義務
記帳業務を依頼すると、重要な会社の経営情報を開示することになります。税理士は法律で守秘義務に対して定めがある一方で、やはり民間の業者ではその点が法律で定められておりません。のちのちに変なトラブルに巻き込まれないためにも契約段階で守秘義務について触れているか確認しましょう。
◆人材育成ができない
記帳代行サービスを利用すると、経理の人材が不要になります。この事はサービスを利用するメリットでもあるのですが、裏を返せば、将来経理の人材が必要になる場合は自社で育成できていないという、欠点になってしまいます。将来会社がこの位の規模になったら社内に業務を戻そう等、考えておくのをお勧めします。
サービスは契約期間がありますので、期間限定的な利用も可能になります。柔軟に対応できる業者を選びましょう。